Q. RESP-Dにおいて、質点系振動解析を行う際の各階の回転慣性質量の計算方法を教えてください。
A. 水平軸まわりの回転慣性と、鉛直軸まわりの回転慣性に分けて、以下にそれぞれ説明します。
【水平軸まわりの回転慣性】
高さ方向に対する回転慣性と各階平面の広がりに対する回転慣性があります。
前者については、各階の質量を集約した質点が各階高さレベルにモデル化されるため、自動的に考慮されるモデル化となります。
後者については、前者に比べて影響が小さい場合が多いこと、各階床が水平軸まわりに剛体的に挙動するわけではないことから考慮していません 。
なお、建物のロッキング(基礎の平面的な広がりに対する回転慣性)については、ロッキング重量を別途設定可能です。
【鉛直軸まわりの回転慣性】
免震層に対して考慮する機能と、上部構造に対して考慮する機能があります。
前者では、免震層を 立体的にモデル化することで回転慣性を考慮します。
後者では、各節点の質量に対して重心からの距離の二乗を乗じた値を累積して 算出した回転慣性を各質点に考慮します(※本機能は研究的な機能です)。ここで算出された回転慣性は、メニューの「ファイル」→「ファイル変換出力」→「 CSV出力」→「解析結果/各階重量・回転慣性重量」 から確認可能です。 出力値は質量ではなく重量である点にご注意ください。